建設業の給与と外注費の区分は注意が必要です
建設業の場合、作業員を使うことが多いと思いますが、コスト削減の目的から作業員を「個人事業主」として独立させ、「外注費」として払っている企業もあることと思います。
しかし、税務調査では「給与と外注費」の区分は税務調査で必ずチェックされますので、注意が必要です。
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消費税を節約することができる訳
税法上、給与の支払いには消費税がかかりませんが、外注費の場合は消費税が発生します。
そのため、職人さんに外注費を税込2万円で支払った場合、消費税の2,000円(10%)分は、会社全体が払う消費税の納税額から差し引くことができ、消費税を節約することができるからです。 -
源泉所得税の納付を免れることができる訳
給与の場合は、従業員同様、源泉所得税を差し引いて支給し、後に源泉所得税を納付する必要がありますが、外注費の場合は、受け取った側が申告することになりますので、会社側が源泉税の納付をしなくても良いことになります。
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社会保険料の負担を免れることができる訳
社会保険料についても、給与の場合は、会社側が社会保険料を差し引いて支給すると同時に、社会保険料の会社負担分を払わなければなりませんが、外注費の場合はその義務がありませんので社会保険料の負担を減らすことができるためです。
以上のように、作業員の給与を外注費扱いとすることで、消費税や源泉税の取り扱い、社会保険料の負担軽減など、会社側に大きなメリットがあるために、税法上は「外注費の取り扱い」については厳しい基準が示されています。
更に、もしその後の税務調査で作業員の外注費が認められず、給与扱いとなった場合は、過去に遡って、消費税、源泉税、社会保険料の負担が発生するケースがありますので、十分な注意が必要です。
給与と外注費を判断する5つの基準
では、給与と外注費の区分は何で判断すれば良いのか?ということですが、基本的な判断基準としては、
1. 外注先が自ら請負金額を計算しているか
2. 役務の提供にあたり、他人の代替が可能かどうか
3. 役務の提供にあたり、事業者の指揮監督を受けるかどうか
4. 不可抗力等で完成品が滅失した場合、役務の請求を受け取り側ができるかどうか
5. 役務の提供に係る材料や用具はどちらが用意するのか
などが挙げられます。
上記は基本的な考え方であって、実際には契約内容や運用形態に応じて実務的・総合的な判断がなされますので、一般の方がご自身で判断されることは極めて危険です。
ご心配な方は、まずは税理士法人ウィズに相談下さい。